世界情勢と株価変動

日々の世界情勢と株価変動について考察

軍の司令官が殺人とレイプを下命する国の盟友は、これまたジェノサイド国家


 読売新聞オンラインの伝えるところでは、ウクライナ検察当局は30日、ウクライナ人女性に性的暴行をした容疑で、ロシア兵の男を訴追したと発表したと言う。

 露軍の侵攻後、レイプに対する立件は初めてらしい。


 発表によると、戦車部隊の衛兵ミコライ・ラマノフ容疑者は3月、キーウ(キエフ)州東部ブロバルイの村で、民家に押し入って男性を射殺し、他の兵士らと共に男性の妻を繰り返しレイプした。  

 検察は殺人容疑でも訴追した。  


 露軍に約1か月間占領されたキーウ近郊ではレイプ被害の通報が相次ぎ、検察と人権団体が実態調査を進めている。

 一連の犯行は司令官が関与し、組織的だった可能性が指摘されているのだそうだ。




 これ程胸糞の悪いニュースはない。


 私なんぞでも腸が煮え繰り返っているのだから、被害者やウクライナ国民の心中は如何ばかりかと察する。




 加えて、ロイター通信によると、ウクライナの検事総長は31日、ロシアが侵攻したウクライナでの戦争犯罪の捜査について「600人以上のロシア人容疑者を特定し、うち約80人の訴追手続きを開始した」と明らかにした。


 国際刑事裁判所(ICC)などの合同調査チームが同日、オランダ・ハーグで記者会見した。

 検事総長は会見で、容疑者には「ロシアの軍幹部、政治家らが含まれる」と述べた。


 ICCなどの合同調査チームは、ウクライナ首都キーウ(キエフ)近郊ブチャでの民間人虐殺など露軍による戦争犯罪を捜査している。

 ICC非加盟国のロシアは捜査協力を拒んでおり、訴追は難航が予想されると言う。




 そうして国家包(ぐる)みで犯罪を行うロシアを、犯罪国家と呼ばずして何と呼ぶ。


 とにかく、ロシアと言う国家は一刻も早く終わらせなければならない。


 と、そう思っていたら、興味深い報道を眼にした。




 FNNプライムオンラインは、ロシア軍の一部で反乱が起きているという情報を、イギリス国防省が明かしたと伝えた。


 さらに、ロシア軍の兵士とされる音声からは、末期的ともとれるような状況が浮き彫りになっていると言う。


 専門家は“内部崩壊”のシナリオもあり得ると指摘しているのだそうだ。

  

 ウクライナ保安庁公式Twitterによると、ロシア兵の1人が、うちの大隊は600人いたんだけど、今は215人しかいない。

 他は死んだか怪我をしている。

 ほとんど全員が前線に行くのを拒んだ。

 すると、ある兵士が、「ほら、殺せよ!」って。

 そいつは、手榴弾を出してピンを引っ張って言ったんだ、「ほら、撃ってみろよ!一緒に吹き飛ぼう」って。

 特殊任務部隊は、僕たちに銃を向けていて、僕たちも彼らに銃を向けたんだ。

 あと少しで互いを撃ち合うところだった


 ロシア軍内部で起きたとみられる、一触即発の事態の一幕である。


 またプーチンの盟友とされるロシア正教会の総主教も、戦争非難の動きを示していると言う。


 英・ガーディアン紙によるとキリル総主教は、5月29日、モスクワ中心部にあるハリストス大聖堂で「ウクライナ教会が苦しんでいることを私たちは完全に理解している」と述べたと報じた。

 苦境にあるウクライナへ、同情するようなコメントと受け取られている。

 

 専門家も、これまでプーチン大統領を支持してきた高齢者層にも、影響が大きいのではないかと言う。


 まあEUは首脳会議を開き、EU圏内へ船で輸送されている、ロシア産石油の輸入を即時禁輸で合意。

 この合意の対象は、EUが輸入しているロシア産石油の3分の2にあたる量だと言う。

 全体量からすると僅ではあるが、依存が高いハンガリーのパイプライン輸入は対象外。

 そして、ロシアの大手銀行「ズベルバンク」を国際送金システムから排除。


 


 と、混迷を極めるロシア。

 

 しかし、そんなロシアから、中国やインドは安く原油を買うと言う。


 が、ここに来て、OPECが動いた。


 


 ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

の伝えるところによると、ロシアの産油量が西側諸国の制裁や欧州の部分禁輸措置の影響を受ける中、石油輸出国機構(OPEC)加盟国の一部は生産協定へのロシアの参加を停止させることを検討していると報じた。

 複数のOPEC代表が明らかにしたと言う。


 ロシアを協定から排除すれば、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など他のOPEC加盟国が大幅に増産できる可能性がある。 

 ウクライナ侵攻で原油が1バレル=100ドル超に高騰する中、米欧はOPECに増産を要請してきた。


 あるOPEC代表者は「生産協定へのロシアの実効性をもった参加を厳密に除外することで、われわれは目下、合意した」と述べた。


 一方、ロシアを除外することでOPECプラスの結束力が弱まる事を懸念する向きもある。

 

 今後、OPECが減産を決める場合、ロシアは一段と「ノー」と言いやすくなる。


 前出のペルシャ湾岸諸国のOPEC関係者はこう話す。 

 「ロシアを割り当てから外すリスクは、われわれが今後、減産を強いられる場合、ロシアがそれに抵抗することだ」、と。

 



 前述のように、EUだけでなく、OPECも最早ロシアを枠組みから外そうとしている。


 しかしそれらとは逆に、どうしてもロシアを支え続けなければならない国もある。


 中国である。

 

 インドは原油こそロシアから買うものの、擁護や支援まではするつもりがないようだが、中国は別だ。


 万が一プーチン政権が崩壊し、民主化などしようものなら、今以上に中国は世界から孤立し、忽ち習近平独裁体制の危機が生じるからである。


 そしてそんな中国も、ロシアとは同じ穴の貉なのだ。



 

 中国新疆ウイグル自治区出身で米国へ亡命したウイグル族女性、ズムレット・ダウトさん(39)が新疆にいた2018年当時、当局から不妊手術を強制されたと西日本新聞の取材に証言したのだそうだ。


 新疆では近年、不妊処置件数が急増し出生率が激減。


 中国政府は「住民の自主的選択」とウイグル族を狙った人口抑制策を否定するが、ズムレットさんは「子どもが2人以上いるウイグル族女性はほぼ全員手術を強要され、1日5人ずつ施術された」と明かした。


 ズムレットさんによると、故郷の区都ウルムチに住んでいた18年10月下旬、地域住民が中国国旗の掲揚集会に集められ、共産党員の役人から「2人以上の子どもを持つ女性に無償で不妊手術をする」と告げられた。

 当時36歳だったズムレットさんは子どもが3人いた。21年まで続いた当局の産児制限のためウルムチでは2人までの出産しか認められておらず、1万8400元(約35万円)の「罰金」を当局に納めていた。


 ズムレットさんは18年春に約2カ月間、中国政府が「職業技能教育訓練センター」と呼ぶ施設に収容されて体調が悪化。

 帰宅が許された後も尿が止まらないなどの症状に悩んでいた。


 パキスタン人の夫は「妻は手術に耐えられない。不妊処置が必要なら私が受ける」と懇願したが、役人は「外国人だから駄目だ。彼女が受けなければお前を強制的に帰国させ、二度と中国に入れない」と脅したという。

 ズムレットさんは泣き崩れる夫を見て心が折れ、手術に同意。

 あくまで自主的選択だと明記した文書に署名させられた。


 人口千人余りの地域に、子どもが2人以上の出産適齢期の女性は約200人おり、1日5人ずつ市内の施設で施術された。

 ウルムチは漢族が人口の7割を占めるが「漢族の女性は対象外だった」と断言する。


 分娩(ぶんべん)台のようなベッドに上がると、背の低い50代くらいの漢族女性から点滴で麻酔を投与された。

 同じ日に手術を受ける予定だった5人のうち1人は、病気が見つかり免除された。

 意識が戻ると隣のベッドから痛みにうめく女性の声が聞こえた。

 「しばらくすると私も腹部に激痛を感じ、声を上げてしまった。子どもを産めなくなった自分を責めた」と涙を拭った。


 ズムレットさんは19年、夫の母国パキスタン経由で米国に亡命。米国での検査で卵管結紮(けっさつ)手術を施されていたことが分かった。


 地元政府の統計「新疆統計年鑑」によると、18年に新疆で不妊手術を受けていた人は約8万9千人に上り、約99%がウイグル族の集住地域に集中。

 出生率(人口千人当たりの出生数)は17~19年の2年間でほぼ半減した。

 ズムレットさんは「イスラム教徒にとって不妊手術を受ける事は罪。望んで受けた人は私の周りに一人もいない。中国政府はウイグル族を絶滅させるつもりだ」と訴えたと言う。


 ウイグル 抑圧の実相より




 これもまた胸糞の悪いニュースである。


 私なんぞでも腸が煮え繰り返っているのだから、被害者のズムレット・ダウトさんを始め、ウイグル族の心中は如何ばかりかと察する。


 そんな中国が、漸くの事「ゼロコロナ」政策の肝とも言えるロックダウンを、解除したのだそうだ。




 ジャーナリストの中島恵氏によると、6月1日、午前0時、中国・上海市で2ヵ月以上続いていたロックダウン(都市封鎖)が事実上、解除されたと言う。

 これにより、過去10日以内に感染者が出た一部の地区を除き、上海市の人口の約9割に当たる約2250万人の外出が可能になった。


 また、地下鉄やバスなどの公共交通機関が再開され、自家用車やタクシーでの外出も可能になる。

 上海市民と新型コロナとの長い戦いに、ようやくピリオドが打たれた。


 だが、地方からの出稼ぎ労働者の中には、仕事だけでなく住む場所さえ失い、経済的に困窮した人も少なくないのだそう。

 家賃が払えずに撤退した事業者、飲食店も多い。

 上海ディズニーランドには草が大量に生え、施設も傷んだ。


 長期間、家にとじ込められるという未知の経験から強いストレスを感じ、うつ病などを発症した人もいて、精神面でのケアを必要としている人が増えていると言う。


 運動不足による筋力や体力の驚くべき低下、周囲の人々との人間関係の悪化、政府への不信感、漠然とした不安感、孤独を訴える人もいる。

 それ以外にも、まだ表面化していない後遺症があるのでは、と心配されている。


 前述のように、政府は経済復興のための支援策を実施する方針だが、人々の心の傷を癒すケアやサポートも必要だ。

 2500万人もの人々に課した2ケ月に及ぶロックダウンの影響は計り知れない。




 上記記事にあるように、ロックダウンは解除されたものの、やはり上海を始め中国には色々と懸念が存在する。


 それらの懸念を払拭出来ずにか、ロックダウン解除当日の上海市場も6日ぶりに反落。




  内藤証券の畦田氏によると、1日の上海総合指数は小幅反落。

 国務院の景気対策の詳細発表を受けた材料出尽くしに加え、3200ポイントを目前に利益確定が優勢だった。

 ロシア産石油禁輸をめぐるEU合意で、海外インフレ懸念なども重しに。

 観光・教育・食品・農業株などが概ね軟調だった。一方で指数の下げ幅は僅か。

 自動車株が減税効果期待で物色された。

 海運・港湾株は足元の運賃価格の回復を好感した。

 軍需関連・電力設備・家電株なども堅調。

 売買代金は前日比5%減少。

 香港経由のA株投資は買越額が47億元に縮小したと言う。




 内藤証券の記事を引用しておいて、こんな事を言うのは恐縮するが、私は今まで中国株に投資した事がないし、これからもする気がない。


 これは投資家として甚だ偏った意見であるし、世界を席捲する中国経済に対して背を向けると言うのも、また、賢い選択では無いと言う事は百も承知。


 然り乍ら私は、軍の司令官が殺人とレイプを下命するロシアの盟友である中国の株式市場には、どれだけ儲かろうが、どれだけ馬鹿げていると言われようが、断じて投資したくないのだ。


 ジェノサイド国家になんか、絶対に投資しないのだ!


 ただ、逆に、中国経済が急落したり、プーチン政権が崩壊したり、習近平政権が崩壊したりすると言う事に対しては、大して儲からなくとも、馬鹿げていると言われようと、私は全財産を投じたいとも思っている。

  



 そんななか、日経電子版の報は、1日の東京株式市場で日経平均株価は反発し、前日比178円09銭(0.65%)高の2万7457円89銭で終えたと伝えた。

 4月21日以来の高値。

 米株価指数先物が日本時間1日の取引で堅調に推移し、投資家心理が上向いた。

 外国為替市場で円安・ドル高が進み自動車など輸出関連銘柄に買いが入った。

 中国経済の回復期待が高まったことも追い風に幅広い銘柄が上昇した。

 日経平均の上げ幅は一時200円を超えた。

 外国為替市場で円相場が1ドル=129円台まで円安・ドル高が進み輸出採算が改善するとの思惑から、自動車関連株や機械株が物色された。

 中国メディアの財新と米S&Pグローバルが1日発表した5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は好不況の境目となる50を下回ったが、前月からは改善した。

 中国・上海市は1日から新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的の都市封鎖(ロックダウン)を解除した。

 東海東京調査センターの長田清英チーフストラテジストは「中国経済に対する不安感は日本株の上値を重くする一因だったが、上海市のロックダウン解除などで不透明感はかなり後退した」とみていた。




 と、ここに来て、私の思い通り日経平均は反発し、6月初日を上昇で終えてくれた。


 ただ、先日来私は、セルインメイ「5月に売れ」の格言を、今一度に胸に刻んでいるところであり、日経平均が28000円を取り戻し、日経ダブルインバース(弱気ETF)が350~360円の安値を付けたら、一先ず資金の7割程度をダブルインバースに置き換えるつもりだと書いていたが、今日はもう6月1日である。


 してみると、ここに来て、思惑通り日経平均が反発とか言ってるけど、「お前あんだけ言ってたのに、5月に売ってねえだろうがよ!」、との、お声を頂戴するところ。


 とは言え、或いは6月の第一週迄は粘るかもだが、と、先日書かせて貰った事も、お忘れ戴かないように願いたい。


 そして今日は、6月の第一週を第二週の17日迄は粘るかも、と、書き替えさせて戴く。


 理由はある。



 先ず第一に、1357・日経ダブルインバース(弱気ETF)の、チャート上で株価下落の兆候と言われる、直近の「雲の下抜け」である「デッドクロス」が、5月30日に発生している事がある。

 

 つまりこの先暫くは、ダブルインバースの株価は下落し、日経平均は上昇する兆候が見られるのだ。


 また、25日移動平均線が412円で、1月5日の年初来安値が369円である以上、デッドクロスが発生したからには、412円を上回る可能性は低く、今後年初来安値の369円に近付くか、或いはそれを下回る可能性もあると言う事になる。


 そして、今日のダブルインバースの株価は388円であり、360円代まであと一息なのだ。


 加えて、そのダブルインバースの信用売り残(空売り)は増加している。

 


 次いで第二に、そのダブルインバースと相対する強気のETFである、1570・日経ネクストファンドの信用買い残は増加している。


 また、ネクストファンドのデッドクロスが発生したのは、2月24日に遡る事になり、直近は発生していない。


 つまりネクストファンドの詳細に於いても、日経平均が暫くは上昇基調にある事を示唆しているのである。




 私としてはウクライナの勝利を目前にした今、御祝儀相場宜しく、ニューヨークや東京の株価が、この6月の初旬に、再び28000円を取り戻す事を信じたい。


 そしてその後は中国経済の失速の可能性に鑑み、株価の急落を予測したいものであり、何より犯罪国家やジェノサイド国家の好景気を許したくないのである。



 日経平均が28000円を取り戻し、株を買え、買え、と、大手証券が個人投資家を煽り始める頃、私は動き出したい。


 機関投資家が個人投資家の高値掴みを見届けたら、その高値に空売りを仕掛けて来るだろう筈で、そこを見逃さずに動くのである。


 証券会社と機関投資家は、個人が損をした分で肥え太ると言う点では、一蓮托生なのであるとは、先日も書いた通り。


 今後、株価が上昇すればするほど、機関投資家の空売り残高を注視していくつもりだ。


 モルガンや野村など、大手が売り方に回り出したら、私は日経ダブルインバース(弱気ETF)を買う。


 360円代に入ったら、日々ナンピンを入れて買い増すつもり。




 さて、そうした相場が到来するのか?


 相場の一寸先は、神のみぞ知るところ。 




 追伸・


 「5月に売れ」が「6月に売れ」になったお詫びに、個別銘柄情報を一つ。


 私には敬愛するデイトレーダーが二人居て、その二人は全く違う銘柄を推奨するのだが、そこそこ利益を上げていて、二人とも優秀なデイトレーダーである。


 たまに二人共同じ銘柄を追い掛けて利益を上げることもあるが、極々希に二人共に同じ銘柄を買って負ける事があるのだ。


 しかし、そうした銘柄は1~2カ月後に高騰する場合が、往々にしてある。


 つまり優秀ではあるが、二人共に高騰すると予測した時期が早過ぎたのである。


 それが3189・anapである。


 女性衣料販売の会社であるが、先月その二人のトレーダーが好決算を予測し、決算跨ぎをした結果、見事に株価は下落。


 二人共に悔しい思いをしていたのだ。


 ところが同銘柄の株価はこのところ上昇基調にあり、これまた私の敬愛するトレーダーの言葉で、「株と言うのは誰しも安いところを買おうとするが、買うのは株価が上がり始めてからで良い」、と、言うのがあり、今株価は漸く上がり始めたところだ。


 また、機関投資家の売りが一巡し、信用売り残が急激に減少しているので、売り圧力に乏しく、今のところ僅かな出来高ではあるが、上昇し易くなっている。


 で、私は今日引け間際に373円で買った。


 ただ、仮に株価が上がらなくても、株式投資は自己責任でお願いする。


 苦情は受け付けませんので、あしからず。


 


 それと、もう一つ。


 私の敬愛する米国の著名投資家カール・アイカーンの言葉。



「AIを研究して金持ちになる人がいる。私は人間生来の愚かさを研究して金を稼ぐ」

 


 私はこの言葉を胸に、日々精進している。


 


 何よりも、ウクライナに恒久の平和を。


 そして、ウクライナに栄光あれ!



眠れる巨人の視線は、ウクライナてはなく中国に釘付け?


眠れる巨人の視線は、ウクライナではなく中国に釘付け?

 


 AFPBB Newsによると、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は26日、東部ドンバス(Donbas)地方でロシアが「ジェノサイド(集団殺害)」を行っていると非難したと言う。


 ゼレンスキー氏は毎日恒例のテレビ演説で、ロシアがドンバス地方の各都市を焦土と化そうとしており、同地方が「無人」になる恐れもあると指摘。

 「国民の強制連行や民間人の大虐殺などを含むこれら総ては、明らかにロシアが追求するジェノサイド政策だ」と述べたのだそう。

 


 

 前述の報道でのゼレンスキー大統領の言う通り、確かにロシアはジェノサイド政策を進めている。 


 まるで世界を嘲笑うかのように。


 まるで力こそ正義だと言わんばかりに、ウクライナで虐殺の上に虐殺を繰り返す、プトラーことプーチン。




 また、時事通信によると、ウクライナ軍が、東部ドンバス地方のルガンスク州でロシア軍の猛攻にさらされていると言う。


 ガイダイ州知事によると、ウクライナの支配地域は「5%」に縮小。

 残る都市セベロドネツク周辺ではロシア軍が3方向から包囲を進め、退路を断たれたウクライナ部隊が完全に孤立する恐れが出ている

のだそうだ。


 住民の退避も完了していない中、ロシア軍は兵力を集中させてセベロドネツク一帯への無差別攻撃を継続。

 ウクライナのメディアは、激戦の末に陥落した南東部の要衝になぞらえて「第2のマリウポリ」になると警鐘を鳴らしていると言う。


 ルガンスク州をめぐっては今回、全域の陥落を避けたいゼレンスキー政権が、米欧に武器支援の加速を求めている。

 一方、ロシアのショイグ国防相は20日、完全制圧が「近づいている」と主張。

 双方とも態度を硬化させており、停戦交渉は見通せない状況だと言う。 




 そうして悲惨な状況が続くウクライナ。


 ただ、バイデン氏を始め米国民の視線は、中国に釘付けにされている。


  以下の報道がそれを裏付ける。




 ブルームバーグが、米国と台湾は経済関係の強化を図る交渉を発表する方針である事を伝えた。 

 事情に詳しい複数の関係者が明らかにしたと言うことである。

 台湾を領土の一部と見なす中国への新たな挑戦とも取れる。


 経済協力強化やサプライチェーン強靱(きょうじん)化の取り組みが中心となり、一般的な自由貿易協定(FTA)には至らない見込みだ。

 正式発表前だとして関係者が匿名を条件に語ったと言う。




 無論、米国が台湾を始めインド太平洋地域を重視してくれる事は日本に取って有難いことだし、至極当然の事だと言える。


 ただ、そんな事をしている間にも、日々ロシアに拠って、東部ウクライナの無辜の民は虐殺され続けている。


 米国は今も武器供与と経済支援に終始し、ウクライナに犠牲を強いたままである。


 ロシアへの経済制裁も、短期的には無意味で、ウクライナでのジェノサイド(集団殺害)を止めるには到らない。


 決して米軍は投入しないし、視線はまったくウクライナに向いていないのだ。

 

 例えて言うなら、右手で武器を左手でドルを手渡し、首から上は中国に向いていると言ったところか。




 私は以前、山本五十六が真珠湾攻撃を省みて残した言葉に、「我々は眠れる巨人を起こしてしまったかもしれない。おまけに、その巨人はとてつもない敵意に満ちている」、と、言うのがあると書いた。

 

 また、アメリカ人が、甚(いた)くこの言葉を気に入っているらしいと言う事も。


 つまり近年世界警察の職を辞した米国は、殊にトランプ政権以降、今も尚、彼らの国是は「アメリカファースト」であり、世界で何が起こっても、自身が攻められない限りは戦う気がなく、眠ったままなのである。




 アメリカと言う国は、その事について言うと、第二次世界大戦前もそうであった。


 所謂、米国の孤立主義(こりつしゅぎ、英: Isolationism)である。


 この孤立主義とは、第二次世界大戦前まで米国が原則としたヨーロッパ問題に介入しない外交政策の事で、モンロー主義に代表される非干渉主義のことを指す。


 第二次世界大戦が始まっても孤立主義の支持は根強く、是非を問う論争が続く。


 1940年9月4日、ヨーロッパ問題非干渉を主張する「アメリカ第一主義委員会」が設立され、同委員会の主催する集会は常に熱狂的な支持者で溢れたが、皮肉にも日本の真珠湾攻撃によって、同委員会は活動を終息し、非干渉主義は一気に雲散霧消することになる。




 歴史は繰り返すと言うが、1940年9月4日、ヨーロッパ問題非干渉を主張する「アメリカ第一主義委員会」の設立と、中東問題に非干渉を主張した前トランプ大統領の、「アメリカファースト」は酷似していると、私は思うのだ。


 そのことが影響しているのかどうかはさておき、このところゼレンスキー大統領の、米国に対して怒りを露にする様子が、地上波放送などでは取り上げられている。


 今迄は米国の尻を叩く意味もあり、それが功を奏していたが、今後は「泣き落とし」作戦に転じてみてはどうか?


 今の戦況を打破するには、例えば陸上部隊とまでは言わずとも、対空戦略だけでも良いから、米軍の参戦が不可欠であるように思うのだ。


 それには眠ったままの、米国民の「眼を醒ます」事が絶対条件となる。


 今迄高潔で勇ましかったゼレンスキー大統領に、泣きながら訴えられれば、米国民の心は少なからず動くと思うのである。

 

 形振り構わず、米国民に対し、「世界の為に、どうか眼を醒まして欲しい!」、と、訴える姿は、想像するだに説得力がある。


 その辺りを、米国民の大好きな山本五十六の言葉である、「我々は眠れる巨人を起こしてしまったかもしれない」、を、交えながら、「岸田のび太」にはゼレンスキー大統領に訴えて貰いたい。


 たとえ「のび太」になってでも、今は何よりも先ず、「ジャイアン」の眼を醒ます事でウクライナの無辜の民の命を救う事が肝要。


 無論、ここで言う「ジャイアン」とは、米国民の事であり、バイデン大統領の事ではない。


 米国民の心を動かせば、「バイデン・ジャイアン」も動かざるを得ないように思う。


 ただ、高潔で勇ましかったゼレンスキー大統領が、日本の歴代の首相のように「のび太」になるのは見たくないが・・・・・。




 と、好き勝手な事を言っている私であるが、米国の視線が中国に釘付けになっている訳が、前述のように極東の安全保障問題だけでない事くらいは、分かっているつもりだ。



 その一つの理由として、FRBがこの5月の3~4日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、全会一致で、政策金利の水準(誘導目標)を、0.25~0.5%から0.75~1%に引き上げるように決めた事がある。


 FRBは3月、2020年3月から新型コロナ対応として続けてきた「ゼロ金利政策」を終え、政策金利を0.25%幅引き上げると決めた。


 今回はその2倍の0.5%幅の利上げで、00年5月以来22年ぶりの措置だと言う。


 利上げの加速を通じて、インフレ抑制に強い意思を示したのだが、このインフレは簡単に言うと、米国の株価を始め、ドルの価値を保ち、コロナで停滞した米国経済を支えんが為に、ドル紙幣を増刷出来るだけ増刷した事に端を発す


 つまり今回のFRBによる政策金利の水準引き上げは、コロナ禍を抜け出そうとしている今、ドル紙幣を増刷するのを止め、米国の金融政策をコロナ禍以前の正常な状態に戻す為に、どうしても必要不可欠なものなのだ。


 さて、そうして、米国の金融政策をコロナ禍以前の正常な状態に戻す為には、前述したFRBの施策以上に重要なのが、貿易赤字の縮小であり、貿易黒字の創出である。


 そうした米国の貿易収支に於いては、今般のウクライナ侵攻で、ロシア産に代わり、このところ米国産のLNGが盛んに欧州各国に輸出されており、或いは黒字も有り得るか、との計算も成り立つが、これには中国の存在があり、なかなか上手くはいかないのだ。




 そんな米国の貿易収支は、2022/02/08の日経電子版の報じたところによると、20年に新型コロナで輸出が急減速し、過去最大の貿易赤字を再び記録していたと言う。


  バイデン政権でも貿易を巡る米国と中国の緊張は続いており、そのなかでも21年の対中赤字は14.5%増の3553億ドルだったらしい。 


 今のレートに換算すれば、日本円で実に44兆8600億円と言う莫大な金額に上る。

 

 貿易赤字全体の3割強で、国別では最も多いらしいのだが、2022年度の日本の一般会計総額が107兆5964億円であるから、実に日本の国家予算の4割強もの貿易赤字が、中国に対して生じていると言うことになる。




 無論、米国としては、ロシアを支援する中国からの輸入を減らして行くのは当然で、中国に代わる貿易相手として、インドに白羽の矢を立てたいところなのだろうが、先日のクアッドでの様子を見ていても、どうもインドは米国の思うようにはならない。


 ただ、インドが無理でも、それ以外の何処かにその代わりを見い出す事は、米国に取っての喫緊の課題である。


 理論的にはプーチン政権が崩壊し、ナワリヌイ氏を始めとした民主勢力が新たな政府を樹立すれば、民主化したロシアは中国の代わりに成り得る。


 然し乍ら、プーチン政権が崩壊する事があっても、直近にロシアが民主化する事は不可能に近いし、仮に民主化しても、ウクライナに対しての戦後補償や、復興協力などもあるだろうから、民主化直後にロシア経済が機能することはない。


 それどころか、プーチン亡き後のロシアは混迷を極めるだろう。


 つまりロシアはどう転ぼうが、米国に取ってお荷物でしかないのである。


 それはまた中国に取っても同様で、彼らに取ってもロシアはお荷物でしかない。


 LNGなどの資源を安く買えるだろし、今のところウクライナ侵攻を静観している中国に実害は無いが、今後世界から総スカンを喰らうロシアを支えていくのは、並大抵のことではない。


 早晩、中国経済は苦境を迎えるだろう。


 オミクロン株が蔓延し、経済制裁を喰らう北朝鮮もまた然り。


 今後習近平氏は、ロシアと北朝鮮と言うお荷物を抱え、それでなくとも「ゼロコロナ」の失策で求心力を失い、低迷する中国経済を建て直さなければならないのだから、先行きは暗いとしか言いようがない。


 その他中国恒大のデフォルト問題や、新疆ウイグル自治区でのジェノサイド問題、香港問題もある。


 中国の今後を占うのは余りにも困難だ。

 

 そんななか、東京も、ニューヨークも、何故か株価は上昇している。




 日経電子版は、27日の東京株式市場で日経平均株価は4日ぶりに反発し、前日比176円84銭(0.66%)高の2万6781円68銭で終えたと報じた。

 前日の米株式相場の上昇が投資家心理の支えとなり、半導体関連などに買い戻しが優勢だったと言う。

 海運株の上昇も目立った。

 半面、戻り待ちの売りも出やすく、相場の上値は重かった。

 日経平均は朝方に大きく上昇し、節目の2万7000円に接近したあとは次第に上げ幅を縮小した。

 前日の米市場では小売企業の好決算を受けて消費関連株に買いが入ったが、米景気の先行きなどに対しては慎重な見方も多い。   

 週末とあって様子見ムードも広がりやすく、午後は膠着した相場展開となった。

 



 また、前夜のニューヨークも続伸。




 NQNニューヨーク=戸部実華氏は、27日の米株式市場でダウ工業株30種平均は6日続伸し、前日比575ドル77セント(1.8%)高の3万3212ドル96セントで終えたと報じた。

 朝方発表の米物価指標の伸び率が縮小し、インフレ加速への過度な警戒感が和らいだ。 

 消費関連やハイテク株を中心に買いが入り、取引終了にかけて上げ幅を広げた。

 ダウ平均は週間で1951ドル高と、9週ぶりに上昇した。週間の上昇率は6.2%と2020年11月2~6日(6.9%)以来の大きさ。

 4月の米個人消費支出(PCE)物価指数で、変動が激しい食品とエネルギーを除くコア指数は前年同月比4.9%上昇と前月(5.2%上昇)から伸びが鈍化し、市場予想と一致した。

 PCE物価指数は米連邦準備理事会(FRB)が物価指標として重視している。

 「秋以降に想定したほど金融引き締めを加速せずに済むとの見方が市場の一部で広がり、投資家心理の改善につながった」(SIAウェルス・マネジメントのコリン・チェシンスキ氏)との声が聞かれた。




 と、中国経済の先行きへの懸念など、何処吹く風の株式市場である。




 先日来私は、セルインメイ「5月に売れ」の格言を、今一度に胸に刻んでいるところであり、日経平均が28000円を取り戻し、日経ダブルインバース(弱気ETF)が350~360円の安値を付けたら、一先ず資金の7割程度をダブルインバースに置き換えるつもりだと書いており、今もその思いは変わらない。


 それにここに来て、思惑通り株価が反発。


 先日も日経ダブルインバース(弱気ETF)をもう少し早く買うべきだったか、と、心が揺らいだものだが、信念を曲げずに良かった。


 私は当初の予定通り、5月最終週迄に前述したトレードを完遂させたい。

 或いは6月の第一週迄は粘るかもだが。



 私としてはウクライナの勝利を目前にした今、御祝儀相場宜しく、ニューヨークや東京の株価が、この5月末から6月の初旬に掛けて、再び28000円を取り戻す事を信じたい


 そしてその後は中国経済の失速の可能性と、1ドル127円代と言う安値を付ける日本円の弱さ、或いは日本のG7最弱の経済的脆弱さに鑑み、株価の急落を予測したい。


 

 日経平均が28000円を取り戻したら、証券会社は個人投資家に、株価が30000円を取り戻す寸前の今こそがチャンス。

 と、株を買え、買え、と、個人投資家を煽る筈だが、その時こそ機関投資家は、個人投資家が高値掴みをしたところを見計らい、個人の高値掴みを吸収し、空売りを仕掛けて売り方に回るだろう。


 証券会社と機関投資家は、個人が損をした分で肥え太ると言う点では、一蓮托生なのである


 私は今後、株価が上昇すればするほど、機関投資家の空売り残高を注視していくつもりだ。


 モルガンや野村など、大手が売り方に回り出したら、私は日経ダブルインバース(弱気ETF)を買う。

 今のところ350~360円の安値が狙い目。


 さて、そうした相場が到来するのか?


 相場の一寸先は、神のみぞ知るところ。 




 ただ、前述の通り、今や株価は中国の景気次第ではあるのだが、米国には、もう少しウクライナにも眼を向けて貰いたい。

 

 世界が今最も救うべきは、経済でも、株価でもなく、ウクライナ国民の命なのだから。




 何よりも、ウクライナに恒久の平和を。




 そして、ウクライナに栄光あれ!