世界情勢と株価変動

日々の世界情勢と株価変動について考察

ヒトラーは愛人と共に果てたが、プトラーの最期は一人?


 プーチンはプトラーなのである。


 余り聞き慣れないかも知れないが、日本の報道でも最近使われるようになって来た


 このプトラー、またはウラドルフ・プトラーと言う用語は、「プーチン」と「ヒトラー」という2つの名前を組み合わせて形成されたかばん語(混成語)であり、彼をアドルフ・ヒトラーに喩えて非難する、イデオロギー的な意味合いをもつ蔑称である。

 またこの用語は当局によって再編される前の2009年当時、ロシアの反政府的な言論で知られたコメルサントで使用されていたもので、以来ロシア国内に於いて、民主派市民達の間で常に用いられて来た用語でもある。


 つまりロシア国内では、表向き大統領であっても、民主派のロシア人達に取ってはプーチンはプーチンでさえなく、加えて大統領でも何でもなく、彼は独裁者のプトラーでしかないのである。


 そんな強権で知られる独裁者のプトラーことプーチンなのだが、このところ俄にその権力基盤が揺らぎ始めていると言うのだ。


 と、言うのも、ロシアのウクライナ侵攻から1か月が経過し、プーチン政権内部の異変が相次いで伝えられており、プーチンが頼りとする情報機関に、「クーデター」も辞さない空気が漂っているとの観測が出始めているからである。


 今月23日にも、アナトリー・チュバイス大統領特別代表(国際機関との調整担当)がウクライナ侵攻に反対して辞職し、出国したことが明らかになったと言う事もある。


 英紙ザ・タイムズは23日、FSBが「クーデターを起こすリスクが日増しに強まっている」とする内部告発情報を報じた。

 FSB幹部が、米欧による厳しい経済制裁の直撃を受けたことに不満を募らせているのが理由だとしている。


 そうしてウクライナ侵攻は、プーチンの政権基盤を揺さぶり始め、政権の今後について「崩壊するかどうかではなく、いつ崩壊するかの問題だ」(ロシアの歴史学者アンドレイ・ズボフ氏)、と、の指摘さえ聞かれるようになっているのだ。


 そしてその事を裏付けたのが、バイデン米大統領が26日、訪問先のポーランドの首都ワルシャワで行った演説である。


 バイデン米大統領は26日、ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、訪問先のポーランドの首都ワルシャワで、「非難されるべき人物は、ウラジーミル・プーチンだ」などとロシアのプーチン大統領を厳しく批判したうえで、「この男が権力の座にとどまり続けてはいけない」と語った。


 ところがその後ブリンケン米国務長官が、27日、訪問先のエルサレムで記者団に対し、バイデン米大統領が26日の演説でロシアのプーチン大統領が「権力の座にとどまるべきではない」と言及したことに関連し、「われわれはロシアの体制転換の戦略を有していない」と説明した上で、政権交代については「ロシア国民次第だ」と述べた。


 バイデン大統領の発言の真意について、ブリンケン氏は「戦争を遂行したり、ウクライナや他国を武力侵略したりする権限をプーチン大統領に与えてはならないということだと思う」と語り、バイデン大統領による戦略外発言の火消しに回ったのである。


 ここ最近バイデン氏は、こうしてポロリと本音を洩らす発言を繰り返しており、私としては、今回も思わず本音を洩らしてしまったのではないかと見ている。


 その事はブリンケン氏が、その後火消しに回っている事からも明らかである。


 そうしてわざわざバイデン大統領の「ウッカリ発言」の火消しに回るのは、徒にロシアを刺激したくないと言うのが、凡その報道機関の見解なのだが、然し乍らその程度の発言で、わざわざブリンケン氏が火消しに回るのは何とも大袈裟だ


 無論ロシアが反論して来る事は予測出来るが、事ここに到って、「権力の座にとどまるべきではない」くらいの事を言っても、それが原因で第三次世界大戦が始まるとは、とても思えない。


 ただ、仮にだが、仮にバイデン大統領お抱えの「タイガーチーム」がプーチン政権転覆作戦を遂行していて、間も無く政権転覆が叶うのだとすれば、その最終段階に差し掛かったタイミングでの「ウッカリ発言」は、命取りになってしまうのではないか。


 つまり「ウッカリ発言」によりプーチン政権側がその事に感付いて、防御措置を取ったが故にその作戦が行き詰まるとすれば、それは今日迄の「タイガーチーム」の努力が水泡に帰してしまう、と、言う危険性を孕む


 そうだとするならば、執拗に「ウッカリ発言」を訂正しブリンケン氏が火消しに回った事も肯ける。


 ここ最近は、報道される事がなくなった「タイガーチーム」である。

 その動向が明らかにされていないが故に、そうした期待は高まると言うもの。

 


 またその他、ロシア国防省が25日、ウクライナ侵攻作戦の重心を、東部の親露派支配地域の拡大に移す方針を表明したのは、ウクライナ軍の激しい抵抗で自軍の犠牲が予想以上に膨らみ、首都キエフを早々に陥落させる当初のもくろみも外れたと言う事もある。

 

 そうして露国防省が、「東部重視」の方針転換を発表したことについて、米政策研究機関「戦争研究所」は25日、「国内世論対策」だとの見方を示したと言う。

 ロシア軍は、キエフなど大都市の攻略に手こずる一方、東部では比較的順調に制圧地域を拡大している。

 東部での軍事作戦の「成果」を国民に示し、他地域での苦戦ぶりから目をそらさせる意図とみられる。


 但し、そうしてウクライナ軍に劣勢の露軍が、手詰まり状態を打破する為、生物・化学兵器に手を出す危険性は高まる。



 或いはこのところ我が国に対し、恫喝とも取れる挑発行為を繰り返している事から、極東方面に大いに危惧を抱いていると見える。


 もしかすると、前述した「タイガーチーム」の作戦は、或いは極東で行われるのかも知れないし、その情報をロシア側が察知したが故に、敵国である我が国に対して執拗な挑発を繰り返すのかも知れない。


 それに北朝鮮と代わる代わる日を違えて挑発して来るのも、2国間で連絡を取り合っているからだろうし、そうした観点からすると北朝鮮による弾道ミサイルの発射も、ロシアによる挑発に含めるべきなのかも知れない。

 


 そんな中、ロシア国防省によると25日、北方領土を含む千島列島で3000人以上が参加する軍事演習を始めたと発表したと言う。


 ロシアに対する、制裁を強める日本へのけん制なのだそうだ


 ロシア国防省によると、北方領土を含む千島列島で兵士ら3000人以上と車両数百台が参加する軍事演習を始めたらしく、島へ上陸しようとする部隊やパラシュート部隊を迎撃する訓練を行っているらしい。


 北方領土などでの訓練はロシアが日本との平和条約交渉の中断を表明して以降、初めてで、ウクライナ侵攻で日本が参加するロシア制裁に対するけん制とみられている。


 ただ、ロシア軍には申し訳ないが、そうした演習をどれだけ重ねたところで、我が国の自衛隊には通用しない。


 何となれば、彼らは我が国の自衛隊が上陸した想定で演習をしているからだ。


 そもそも日本の自衛隊が、他国の領土に上陸しようとすることは無い。

 また仮に海自の艦艇や空自の航空機が、旧式の装備しか持たない極東ロシア軍と交戦したとして、彼等に負ける訳が無いし、上陸する前に、海自と空自の航空機が極東ロシア軍の航空機を全機撃墜、艦艇を全艦撃沈する。


 それにウクライナの在るヨーロッパに向け、それでなくても脆弱な極東の兵力を裂いて差し向けている今、極東のロシア軍は最早はだか状態なのだ。


 はっきり言って、自衛隊がパラシュート部隊を差し向ける事もなければ、ロシア軍が上陸する機会もやって来ないし、また、陸自の出番もないだろう。

 何故なら海自と空自だけで、極東ロシア軍を瞬殺出来るからだ。


 百歩譲って陸自の出番があったとしても、彼らの持つ最新鋭の対艦、対空ミサイル、或いは攻撃用ドローンによって極東ロシア軍は水際で叩かれるだろうし、仮に運よく彼らが上陸出来ても、ソヴィエト時代の骨董品の戦車が、陸自特科大隊の多連装ロケットを始めとする精密誘導弾に、完膚なき迄に叩かれるだろう。


 また運良くそれらを回避出来ても、彼らの戦車は機甲科C4Iシステムによる、情報共有および指揮統制能力の付加された、最新鋭「10式戦車」の敵ではない。

 陸自の機甲科には、その「10式戦車」が標準配備されているのだから何をか況んやだ。


 差し詰め極東のロシア軍は、航空機なら良くてスホーイ、最悪の場合ミグしか持たないし、それに対しこちらはF35A・Bなのだ。

 況してやソヴィエト時代のフリゲート鑑など、海自イージス艦の放つ軌道が変化する最新鋭のハープーン弾に破砕されるだけで、彼らは戦いを挑んで来ない方が身の為である。


 然し乍ら悲しいかな、日本の自衛隊は専守防衛であるが故に、そうして脆弱な極東のロシア軍に挑発を受けなければならないのだ。 

 

 ただ、ロシア軍も自身が脆弱な事は分かっている。

 従って、絶対に我が国に対しては攻撃して来ない。

 それなのにこうした挑発行為を繰り返す事の理由は、ロシア側が追い詰められ、焦っているからに他ならない。



 前述したウクライナ侵攻出の失敗による政権基盤の不安定化や、首都キール陥落並びにゼレンスキー政権の転覆を諦めた事。

 またバイデン大統領の「ウッカリ発言」を、ブリンケン長官が執拗に打ち消した事。

 或いは我が国に対して繰り返される極東ロシア軍による挑発と、それに呼応する北朝鮮によるミサイル発射など、それら総てがプーチン政権の危うさを示している。


 そう言う意味では、どんな形になるのかは別にして、プトラーことプーチンの最期は、直ぐそこにまで迫っているのかも知れない。



 その事は、「ロシアがウクライナを侵攻した後、プーチンが31歳年下の愛人とその子供達をスイスに退避させた」、と、言う疑惑が持ち上がった事で、図らずもプーチン自身が証明する事となった。


 3月7日(現地時間)ユーロニュース・ニューヨークポストなどは「プーチンの愛人として知られているアリーナ・カバエワ氏(38歳)と4人の子どもは、スイスのとある別荘にいる」と報道したのである。


 カバエワ氏は2004年アテネオリンピックの新体操の金メダリストで、カバエワ氏とプーチンの仲が噂となったのは2008年である。

 当時、あるメディアは「プーチン大統領が離婚後、カバエワ氏と結婚する予定だ」と報道していた。

 だがクレムリン(ロシア大統領府)はこれを否認し、その後このことを報道したメディアは廃刊となった。


 しかしその後カバエワ氏は与党の公選を受け、2014年まで国会議員を約8年間務めた後、ロシア最大メディア「ナショナルメディアグループ」の会長に任命された。

 当時のカバエワ氏の年俸は、1000万ドルに達していたといわれている。


 カバエワ氏はプーチン大統領との間に、4人の子どもがいるものとみられる。


 ある消息筋は「カバエワ氏とその子供たちは皆、スイスのパスポートを所持していると推定される」とし「表に現れていないカバエワ氏の財産があることを踏まえると、スイスの制裁がどのような影響を及ぼすかははっきりしていない」と伝えた。


 そうしてアリーナ・カバエワをスイスに行かせたプーチンは、或いは自身が自身の死期を悟ったからなのだと取れなくもない。


 嘗(かつ)てプトラーの語源でもある本家本元の独裁者ヒトラーは、愛人から正妻にしたエヴァ・ブラウンと共に、彼女と結婚したその翌日に共に地下壕に於いて自殺した。


 その事から鑑みれば、プトラーことプーチンは、或いはヒトラーよりも孤独なのかも知れない。


 何となればアリーナ・カバエワはスイスに居て、彼と一緒に居ないからだ。

 そうするとプトラーは、最期を一人で迎えると言う事になるのかも知れない。



 そうしてプトラーことプーチンと、彼の愛人の事に思い致した今日3月28日の東京市場は、小安く始まっている。

 

 25日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、前日比153ドル30セント(0.4%)高の3万4861ドル24セントと2月中旬以来の高値で終え、ハイテク株が多いナスダック総合株価指数は反落し、前日比22.539ポイント(0.2%)安の1万4169.300で終えた事を受けてのものだが、明日に配当権利確定日を控えているので、日中も小動きとなろう。


 私としては配当権利落ち日の3月30日以降、プトラーが最期を迎えるまでは弱気だ。

 ただ、プトラーが最期の時を迎え、ナワリヌイ氏が暫定政権を樹立したなら強気。

 とは言え、幾らプトラーが最期の時を迎えても、彼の側近である「シロビキ」のなかの誰かが取って変わるなら、弱気だ。

 何となればその場合、プトラーことプーチンの時代と何も変わらないからである。

 


 何れにしてもプトラー次第の相場とは、何とも戴けない。

 

 何はともあれ1日も早い停戦を。

 ウクライナに栄光あれ!