世界情勢と株価変動

日々の世界情勢と株価変動について考察

偽りの停戦に向け、連携する中・露・北の偽りの三国の織り為す、偽りの相場


 インターファクス通信が、ロシアの大統領報道官が23日、アナトリー・チュバイス露大統領特別代表(国際機関との調整担当)が辞職したことを明らかにした。

 ロシアのウクライナ侵攻への反対が理由とみられる。

 侵攻開始以降、政権要人の離反が判明するのは初めてである。


 チュバイス氏は旧ソ連崩壊後の1990年代、エリツィン政権の大統領府長官や第1副首相も勤めた人で、プーチン政権下では国営企業トップを長年務めた。

 その後2020年、大統領特別代表にも就任していて、プーチン氏が大統領府で勤務を始めるきっかけを作ったとされる。

 プーチンとは政治信条は大きく異なるものの、彼の側近の一人として活躍した一人。

 また、この事に対してロシアの報道官が、チュバイス氏の辞職に関し「自由意思に基づくものだ」と述べたと言う。


 然し乍ら、この時期の政府要人の離反は許されない筈。


 では、何故すんなりと彼の離反を、ロシア政府が許したのか?

 


 例えば西側の自由主義陣営に向けて、ロシアは反戦を自由に主張できる国なのだと訴える為のプロパガンダとも取れるし、或いは国内に存在する反戦派の国民達に対し、斯くも政権は寛大なのだと訴える為のプロパガンダとも取れる。


 ただ、現在交戦中で、しかも戦況が硬直し一進一退を繰り返しているのである。


 ウクライナ侵攻が計画通りに遂行されているならまだしも、2~3日で終わると想定していた電撃戦が早や1ヶ月に及び、補給もままならず、しかも西側から圧倒的な支援を受けるウクライナ軍に対し、今や孤立し劣勢になりつつあるロシア軍である。

 

 上述したようなプロパガンダの為の理由で離反を許しても、西側諸国にすれば今更だろうし、国内に於いても反戦派の若年層を勢い付けるだけで、プーチン政権には何のメリットもない。


 但し、プーチン政権側が、停戦ありきでチュバイス氏の離反を許したのだとしたら、それは肯ける


 仮にチュバイス氏らを始めとした反戦派の声を聞き入れ、已む無く停戦するとして国民に報告するのだとしたら、チュバイス氏に責任を擦り付けてしまえるからだ。


 それにウクライナ侵攻に失敗したから停戦するなどと、プーチンとしては、今さら口が裂けても実状を口にする訳には行くまい。


 ウクライナ側の報告によると、ロシア軍の戦死者は数千人から一万人にも及ぶとの事。

 プーチンにしてみれば、ここはウクライナ侵攻に成功したと言うしかないのである。


 そうしてプーチンは、ウクライナ侵攻の失敗を成功と偽り、敵に勝ってはいるものの、チュバイス氏ら反戦派の意見を聞き入れ、已む無く停戦する、と、嘘に嘘を重ねるつもりなのだろう。


 或いはチュバイス氏にしても、たとロシア国内で何と罵られようが、一刻も早くプーチンから離れたかったのかも知れない。


 そう考えれば、今回のチュバイス氏の離反も肯ける。



 また、そんな折、ウクライナの国防省が、南東部のベルジャンシクの港で、ウクライナ海軍がロシア軍の揚陸艦を破壊したと明らかにした。 

 これを受けてCNNは、映像を見る限り、二次的な爆発が起き、大きな火災が発生しているように見えると報じた。


 そうした戦況からして、プーチンはどうあれ、ロシア軍としても、側近の「シロビキ」にしても、ここは一旦停戦したい筈である。


 それに何より、ロシアは広大なのだ。

 ロシア軍としてはウクライナに軍を集中させている事から、極東方面が手薄になっている事が気掛かりな筈である。

 その事も含め、ここは一旦停戦すべきであろう。

 極東ロシア=極東アジアなのだから。



 そして極東アジアと言えば、北京冬季オリンピックの直前から始まった、度重なる北朝鮮によるミサイル発射である。


 24日には、遂に弾道ミサイルを発射した。


 北朝鮮は24日午後2時33分頃、同国西岸付近から東方向に弾道ミサイル1発を発射。

 ミサイルは約71分間、約1100キロ・メートル飛行し、同3時44分頃に北海道渡島半島の西方沖約150キロ・メートルの日本の排他的経済水域(EEZ)内の日本海に落下した。 

 

  防衛省は、通常よりも高い角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射したと分析。

 2017年11月に発射されたICBM「火星15」の飛行時間約53分、最高高度約4500キロを大きく超えており、「新型のICBM級ミサイルと考えられる」とした。


 この今回の弾道ミサイルについては、米国全土に到達する可能性があり、ほぽ総てのマスコミは、これを北朝鮮による米国に向けたアピールか、或いは国内に向けたアピールとしただけで、ロシアのウクライナ侵攻に於ける停戦と結び付けたコメントをする報道機関は、たったの一社も無かった。


 然し乍ら、私としては、この度重なる発射は、ロシア・中国・北朝鮮の3カ国の連携プレーの一環と見ている。


 元来北朝鮮の核ミサイル開発技術は、ソヴィエト由来のものだし、第一それでなくても費用の嵩む打ち上げ実験である。

 経済制裁を受けている北朝鮮の力だけで、とても最近のように度重なる発射実験が出来るとは思えないのだ。

 或いはロシアが金を払って、派手に打ち上げてくれ、と、依頼したのではないかとさえ思うのである。


 それでなくとも、ロシア軍は専守防衛の自衛隊を舐め切っていて、何度も鼻先を旧式の軍艦や戦闘機で、我が国を嘲笑うかのように通過している極東アジアの状況がある。

 手薄な極東のロシア軍の配備で充分と思っているのだろう。


 但し、米軍は別物である。

 畢竟、日本の自衛隊には舐めた真似が出来ても、米軍には隙を見せられない。

 何より元々手薄だったところに、極東からもウクライナ方面に軍を増派した為、極東は更に手薄になっており、その極東で反プーチンの民主派が蜂起し、米軍がこれを支援すると言う事にでもなれば、プーチンに取っては命取りである。


 そうした事を牽制する為には、北朝鮮が日本やアメリカに向けて、弾道ミサイルの発射実験をするのが一番効果的だ。


 ロシアと連携しているとしても、まったく不思議はなかろう。


 加えて中国である。


 米当局者は24日、北大西洋条約機構(NATO)臨時首脳会議で、中国に対してロシアによるウクライナ侵攻に反対するとともに、紛争の平和的な解決に取り組むよう求める声が上がったことを明らかにしたが、その一方でその日と同日、中国に於いては、「祖国統一法」制定を求める意見が出ているとのこと。

 台湾独立(台独)に反対するだけでなく、台湾併合のプロセスを促進するための新法で、台湾を含む「一つの中国」という概念を認めない蔡英文政権に対する圧力を強化する狙いがあると言う。


 そうして台湾統一を目指す中国は、西側諸国がどう説得しようがロシアと切れる筈がないのである。


 そもそも習近平氏は、中国人と同じ漢族の台湾人が、どんなに苦しもうが、或いは何人死のうが、統一さえ出来れば武力侵攻も辞さないと思っているのだから、結局はプーチンと同じ穴の狢であり、そうして切っても切れない腐れ縁のプーチンに、彼が支援を止める訳はないのだ。

 

 第一、西側諸国は中国に対して「鞭」しか与えていないのだから、無理もなかろう。

 例えば、「中華飴」でも舐めさせると言うなら話は別だが。


 私としては、中国はロシアと距離を置いているようで、結局は軍事支援もするし、経済的にもロシアを支えて行くと思っている。


 北朝鮮に於いても然り。


 私としては、北朝鮮による弾道ミサイルの発射も、表向き米国へのアピールと見せているが、前述したように実質はロシアへの援護射撃と見ている。


 国連が機能していない間隙を突いての発射と言うのも、実に良く計算されていて、中・露・北の連携プレーと見て間違いなかろう。


 そうして偽りの停戦に向け連携する、中・露・北の偽りの三国は、口惜しいが、西側諸国より、ずっと強かで、ずっとズル賢い。

 

 そんなズル賢い連中の話をした後に、ズルくても大して賢くない、謂わば「ズルお間抜け」な連中の話をするのは、少々拍子抜けするが、SMBC日興証券の役員らによる相場操縦事件で、東京地検特捜部が24日、法人としてのSMBC日興証券と、逮捕された役員ら4人を含む合わせて5人を起訴した件である。


 何と、逮捕されたSMBC日興証券の副社長は、25日になって、「手口まで聞いていない」と容疑を否認していると言う。


 スケールは小さいが、ウクライナが危機に見舞われているこの時期に、こう言う輩が副社長をやっているSMBC日興証券とは、いやはや何とも言葉に詰まる。


 せめても、私がSMBC日興証券に口座を持っていなかった事が、唯一の救いである。



 さて、25日の東京株式市場だが、日経平均株価は9日続伸し、前日比39円45銭(0.14%)高の2万8149円84銭で終えた。

 1月18日以来およそ2カ月ぶりの高値。

 9日続伸は2019年9月3~17日以来の連騰記録となるらしい。

 前日の米株式市場で主要株価指数が上昇したことや外国為替市場での円安基調などを背景に、東京市場でも買いが優勢だった。



 また25日の日本時間深夜に始まった米ダウ工業株30種平均は小幅に続伸し、午前9時45分時点では前日比56ドル57セント高の3万4764ドル51セントで推移しているのだそう。

 米国が欧州への液化天然ガス(LNG)の供給拡大で欧州連合(EU)と合意し、欧州のエネルギー不足が和らぐとの見方から原油先物相場が下落。

 原油高が消費を冷やすとの懸念が薄れ、株は買いが優勢になっている。


 この様子では、週明け月曜の日経平均株価が10日続伸する事も有り得ると言うもの。

 何と言っても、多数の3月決算銘柄の配当権利確定日を迎える3月29日である。

 権利落ち日の3月30日は流石に日経平均株価も反落しようが、火曜の3月29日迄は11日続伸の可能性も考えられる。


 ところがそんな事は何処吹く風と、私は今日、5009・富士興産を892円で空売りした。


 加えて混合、1357・日経ダブルインバース(弱気のETF)を、350円~360円のところで買うつもりである。


 つまり、かなり強気に相場は弱気なのだ。


 と、言うのも、偽りの停戦に向け、連携する中・露・北の偽りの三国が存在する限り、市場のファンダメンタルズが改善するとは、とても思えないからだ。


 私としては、私が強気相場に向かうのは、せめて囚人服を来たプーチンが軍事裁判の法廷に引き摺り出され、公の場で戦争犯罪人として裁かれるのを見てからにしたい。


 それ迄は何としても、強気に弱気相場で挑み、ウクライナへの支援金を稼ぎたい。


 弱気相場に栄光あれ。

 そして何より、ウクライナに栄光あれだ。