世界情勢と株価変動

日々の世界情勢と株価変動について考察

 日本が「眠れる巨人」を起こすには?

 



 バイデン氏は25日のポーランド訪問に先立ちブリュッセルを訪れ、3月24日に開かれる北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)の首脳会議のほか、先進7カ国(G7)首脳会合に出席し、ウクライナへの支援や対ロ追加制裁などを議論すると言う。 


 加えてポーランドのドゥダ大統領とは26日に会談の予定で、ロシアの軍事侵攻で大量のウクライナ難民がポーランドに流入している事態を踏まえ、「人権や人道上の危機」への米国の対応について協議するのだそうだ。

 

 但し、この期に及んでもバイデン大統領の口からは、「支援」、「制裁」、或いは「人道支援」と言う言葉が発せられるのみで、今般のウクライナ侵攻に直接「介入」するだとか、或いはロシア軍を直接「叩く」との言葉は、一切発せられていない。


 プーチンが最も恐れるのはその言葉なのに、バイデン大統領がその言葉を口にする事は無かった。

 否、民意を考えれば、口にする事が無かったと言うより、口には出来ないのだろう。


 或いは国連の場での欧米諸国とロシアの論争に於いても、罵り合うだけでまったく解決の糸口さえ見られずに、最早国連と言う組織が機能不全を来している事を露呈している。

 

 加えて中国の王毅(ワンイー)国務委員兼外相が20日、米欧などによる対ロ制裁に反対する姿勢を改めて強調したように、中国がロシアを支援する事も明らかである。


 一方、ウクライナのオリハ・ステファニシナ副首相(36)が20日、西部リビウで朝日新聞記者らの取材に応じ、「自らを先例として、他のアジア諸国を牽引(けんいん)するリーダーとして振る舞ってほしい」と期待してくれたらしいが、日本が中国や北朝鮮に何かを言って聞いてくれるものではないし、況してや韓国とは外交交渉さえ出来ないほど拗れている現況である。

 

 明日22日には、国会でゼレンスキー大統領が演説するらしいが、どんな名演説が為され仮に自民党右派が奮起しようとしても、今の「石橋を叩いても渡らない」岸田政権からストップが掛かるだろうから、とても日本がアジア諸国を動かせるとも思えない。


 ところが刻一刻として、ウクライナでは非戦闘員たる一般市民の、しかも子供や女性、或いは妊婦の命迄もが失われているのだ。


 最早一刻の猶予も無いのである。

 ここでアメリカ国民が本気を出さなければ、この戦争はとても終わらないだろう。


 畢竟、我々日本人も、先ずは本気になる事が肝要となる。

 それに日本がアメリカに物申すにしても、我々が本気でアメリカに迫らなければ、彼らが聞いてくれる筈無いではないか。


 やはりここは、日本も本気でギリギリの決断をし、自ら率先して動き、本気でアメリカに迫る必要があるように思う。

 

 ヘルメットや医薬品などの緩い支援しかしない自分達が、世界に認められていると岸田政権が思っているのだとしたら、それは大きな間違いである。

 況してやそんな岸田政権の言う事を、アメリカが聞いてくれる筈は無かろう。


 これは私見であるが、私は海自のイージス艦一隻をエーゲ海に派遣してみてはどうかと思っている。


 何となれば高度なミサイル防衛システムである、SM-3ブロックIIAを搭載したイージス艦を保有しているのは、米海軍と日本の海自だけだからである。


 このSM-3ブロックIIAを使ったミサイル防衛システムには、莫大な費用と超高度なイージス鑑の操鑑技術などが必要になり、他国が二の脚を踏んだのも頷けるほど、希少で価値のあるものなのだ。


 ならば、今使わなくて何時使うのか?

 それこそ宝の持ち腐れである。

 そこで海自のイージス艦登用となる。


 例えば、SM-3ブロックIIAを搭載した「まや」などの海自のイージス艦一隻を、黒海には入らせずに、仲裁に入っているトルコの海域でもなく、そのギリギリ手前のNATO加盟国であるギリシャ海域で、黒海を見渡せるエーゲ海洋上に停泊させ、もしロシア軍が核ミサイルを使用した時にだけ、これを迎撃させる事にする。


 この案で注目して戴きたいのは、これが紛争地域への自衛隊の派遣には当たらず、また戦闘行為にも当たらない点だ。

 つまりはNATOのグローバルパートナーである日本の、NATO加盟国に対しての集団的自衛権の行使と言う事になるのである。


 簡単に言うと、「ウクライナに核ミサイルを打ち込んだら、NATO加盟国が放射能汚染してしまうから、それがウクライナに対して撃たれた核ミサイルでも迎撃する。しかし、そっちが打たなければ何もしないし、これは戦闘行為ではないよ」、と、言う理屈である。


 これこそがロシアに取っては相当に痛手を被る、日本の出来る最大の核抑止力になる。


 私はこれかギリギリ「セーフ」だと思っているが、或いはギリギリ「アウト」なのかも知れないし、それに私はこの通りにしろ、と、政府に言いたいのではない。


 要は、ウクライナがギリギリのところ迄頑張っているのだから、日本政府もギリギリのところ迄頑張って支援する事を態度で示す、と、言う事が必要だと言いたいのだ。

 私としては日本政府の防弾チョッキ提供が、とてもギリギリのところ迄頑張った結果とは言えないように思うのである。

 

 ウクライナに対して今のような緩い支援をするだけで、我々日本政府がギリギリの行動をしないのであれば、やはり「眠れる巨人」たるアメリカ国民も起きない筈。


 ただ、もし、日本がそうしたギリギリの決断をし、アメリカ政府に許可を得んと動き、「眠っていないで、あなた方も起きてくれ!」、と、迫れば、或いは「眠れる巨人」が起きる事があるかも知れないと思うのだが、如何か。