世界情勢と株価変動

日々の世界情勢と株価変動について考察

 ウクライナに対しても、東京市場に対しても、日本人は祈る事しか出来ない?


 19日、ロイターの欧州当局者の伝えるところによると、ウクライナ南東部の港湾都市マリウポリは向こう数日でロシア軍の手に落ちる恐れがあり、多数の民間人の遺体が見つかった首都キーウ(キエフ)郊外のブチャよりも厳しい状況になる恐れがあるとの見方を示したと言う。


 当局者は匿名を条件に「マリウポリ市は完全に破壊され、多くの民間人が犠牲になる」とし、「ブチャを超える惨状になると恐れている。ロシアのプーチン大統領は(対独戦勝記念日の)5月9日までにマリウポリの『解放』を宣言する可能性がある為、マリウポルは向こう数日で陥落するだろう」と述べた。


 ロシアのメディアはこの日、マリウポリのアゾフスターリ製鉄所の近隣の住民約120人が人道回廊を通って避難したと報じたのだそうで、同製鉄所にはウクライナ軍兵士らが立てこもっていると言う。



 また20日、共同通信の記事では、ウライナでロシア側との停戦交渉団を率いるポドリャク大統領府長官顧問は19日、東部ドネツク州の要衝マリウポリへの攻勢を強めているロ

シア軍が地下の軍事施設への直接攻撃が可能な特殊貫通弾(バンカーバスター)を使用していると述べ「子どもたちへの殺人行為だ」とツイッターで非難した事を伝えている。


 ポドリャク氏は、ウクライナ側部隊が立てこもって抵抗を続けるマリウポリの製鉄所アゾフスターリの構内にロシア軍が強力なバンカーバスターの投下を続けていると指摘。

 各国の政治指導者や宗教界の指導者らが市民の避難を実現させなければ「彼らの手も血で汚れることになる」とも訴えたと言う。



 そうしてウクライナのマリウポリに於ける、アゾフスターリ製鉄所での緊迫した状況を報道各社が伝えるなか、何とも批評し難いニュースが、国内地上波放送で報道された。



 4月19日放送分テレビ朝日系(ANN)の「グッド!モーニング」で、「2ちゃんねる」創始者のひろゆき氏が、日本からウクライナに千羽鶴を送ろうとしている団体に対し、痛烈に批判をしたと伝えたのである。


 ひろゆき氏はツイッターで、「千羽鶴とか『無駄な行為をして、良いことをした気分になるのは、恥ずかしいことである』というのを、そろそろ理解してもらいたいと思ってるのは、おいらだけですかね?」、と、呟いたそうで、さらに、メンタリストのDaiGo氏も、次のようにSNSに投稿したらしい。


 DaiGo氏もツイッターで、「ウクライナに折り鶴送るは、狂気。そんな暇あるなら、バイトでもして、ウクライナに海外送金してあげなよと」、と。


 一方、インターネット上では、「ここまで強く攻撃して、否定してくることに、不快感を覚えます。少なくとも、祈りに力があると思って、折っている人たちのほうが、この行為を攻撃してくる人たちよりは、平和に近い生き方のように思います」といった声も上がったのたそうだ。



 賛否は別にして、この千羽鶴のニュースで一つだけ間違いなく言える事は、日本人には寄付するか、祈るかくらいしかウクライナの為に出来る事はないと言う事である。


 政府でさえ、防毒マスクや防弾チョッキしか送れない日本の国民なのである。


 そうした意味では、ひろゆき氏にしても、DaiGo氏にしても、千羽鶴を贈る事に否定的な人達も何ら変わらない。


 つまりこの件で提起されたのは、祈る事をどう捉えるかと言う問題であっで、「祈るなら寄付した方がましだ」と言うのか、「平和への祈りを否定すべきでない」、と、言う、「祈り」への問題提起に過ぎない。


 例えば、切迫した状況のマウリポリに閉じ込められた兵士や一般市民を助ける策を授けれる訳でもなく、況してや航空機や戦車など供与出来る立場にもない日本なのである。

 

 身も蓋も無いが、敢えて言わせて貰うと、千羽鶴を贈る事に好意的な人も、否定的な人も、日本人である以上はウクライナの為に出来る事は、寄付するか、或いは「祈る」くらいしかないのだ。


 何とも悲しい。


 また、更に言わせて貰うと、つい最近迄1万1000円贈れば$100寄付できたのだが、今や85$しか寄付出来ないのだから、日本円の値打ちの無さと来たら、眼を覆いたくなる有り様である。


 まさか1$130円手前とは・・・・・。


 それに原油価格の高騰から、ガソリン高に加え、ありとあらゆるものの物価高を誘発したのに賃金は上がらない、と、いったい何重苦なのだろうか、今の日本。


 その他、日本海を隔てているとは言え、ロシア、北朝鮮、中国と隣接するのだから、日本人でいる事に、不安を通り越して恐怖さえ覚える今日この頃である。



 そんななか、19日の米株式市場ではダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比499ドル51セント(1.5%)高の3万4911ドル20セントで終えたのである。

 米連邦準備理事会(FRB)が米金融引き締めを進めても米景気は底堅さを保つとの見方から、消費関連や景気敏感株の買いが優勢となった事が要因だそう。

 

 また20日の東京株式市場でも、日経平均株価は続伸し、前日比232円76銭(0.86%)高の2万7217円85銭と、2週間ぶり高値で終えた。

 前日の米株式相場の上昇を支えにファストリなど主力株に買いが集まったらしく、外国為替市場での円安・ドル高進行も輸出株にとって追い風となったと言う。

 半面、3月期決算の発表シーズンを前に持ち高整理の売りも出やすく、午後は伸び悩んだらしいが、こんな不景気で先行き不透明な時期に、株価は続伸するのである。


 しかしそれもその筈で、今の東京市場に流れ込んでいる資金の大半が海外勢の資金なのだから、日本国内の経済動向などは市場価格を形成する要素の一つでしかないのだ。

 言い方を替えれば、上がるにしても、下がるにしても、東京市場の株価変動は、日本の投資家達によるものではないと言う事。


 つまり安定した株価を保ちたいと思うのであれば、日本の投資家達は「祈る」しかないと言う事。


 ただ、私としては「祈る」だけでなく、次回の大きなマイナス方向への株価変動に対し、自分に出来る事は何かを熟慮し、行動し、それに対して備えたいと思う。


 その事はウクライナに対しても、同じなのではないだろうか?

 

 故に、「祈る」だけでなく、戦争が終わった後、我々日本人がウクライナに対して何が出来るのかを、深く考えようではないか。


 何よりもウクライナの悠久の平穏の為に。


 ウクライナに栄光あれ!